大人のデートにオシャレな散歩道。街路をそのまま建物の中に引き込んだ外部を内部にデザインしたビルです。エッシャーの不思議空間を楽しめるアナタなら絶対好きになるFrom 1st ビルです。
なにを隠そう、このビルは、私のファースト・デートの場所でございます。ビルができて間もない頃、ワイフになってくれるかも知れない人と二人で手つないで見に行きました。ブティック、レストラン、カフェなども入る複合ビルで、当時としても革命的に斬新でした。「上の方はアパートになってるの?」との質問に「窓のない出窓の天井から光りを取り入れて、プライバシーを守るようになっている」というような解説をしたことを覚えてます。今でも人が住めるような住戸がいくつもあるかとは思いますが、多分、当時からSOHOとして小さな事務所が入っていたように思います。少なくとも人の生活感などは漂ってはいません。
このビルの特徴は、街路をそのまま建物の中に引き込んだような、オープンな共用空間です。建物としての入り口は曖昧で、そのまま路地を曲がって入ってきたような空間になっています。ビルに入り口がないような計画で、斬新なアイデアと言えます。建物のほぼ中央には囲まれた外部があって、雨が降れば濡れます。エレベーターや階段、廊下は全て外部扱いですから、道行く人は誰でも入ってこれてしまう造りです。こんなとこまで入って来ていいの?なんて感じる所にまで入れます。階段で最上階まで行ってみましょう。「へー、こんな建物もあるんだ」と思えます。こんな所に住んだら楽しいだろうなー、なんて思うのは私だけではないはずです。道路から半階さがって店舗やレストランがあり、半階あがった所と2階にお店が並んでいます。
1976年に竣工したビルで、鉄筋コンクリート造一部鉄骨鉄筋コンクリートの地下2階・地上5階建です。設計は山下和正。銀座ソニー・ビルのはす向かい、宝くじ売り場の並びに建っている三角屋根に丸い玉を乗せたヨコシマな銀座・数寄屋橋派出所なども設計した人です。築後31年も経っていますが、未だに革新的なコンセプトは死んではいません。1977年に日本建築学会賞を受賞しています。
この建物には、当時としては珍しく建築プロデューサーが関わってるんです。彼女を連れて見に行って、この革新的な建物コンセプトは建築家だけのアイデアではないかも知れないって感じました。建築プロデューサーの仕事の範囲は明確には判りませんが、誰なのか気になりました。浜野安弘と言う人です。当時は浜野商品研究所の代表でしたが、現在は社名を浜野総合研究所としています。渋谷駅前の交差点に、でかいモニターをそのまま外壁としたビルがありますが、その建物もプロデュースしてる人です。「オレは建築家とは話しが合わない」とケンカばかりしてる人らしいんですが、面白そうな人ではあります。博士自身の事務所の直ぐそばに住んでいて、たまに汚い格好でふらふら歩いてます。ちょっと大柄でお腹の出た白髪交じりの普通のオッさんです。
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