パタゴニア・ビル
「パタゴニア」って地名でしたよね。どこにあるかご存じ? 地図の上には無いような、ワイルドな桃源郷みたいな響きがあるじゃないの。アウトドアーの遊びが大好きな大人の冒険心をくすぐるような聖地ね。
私は以前から名前だけは知ってたんだけど、どんな店なのかは知らなかったんですね。この店の前はたまに通るんですよ。凄く気にはなっていたんだけど、最近の私が着るモノはユニクロばっかでさー、入るチャンスが何となく無くて、今回初めて足を踏み入れました。
いいっす。建物が路上に溢すオーラがインテリアに充満してます。私が行ったのは冬の休日の午後ですが、お客さんで一杯でした。当然ながら、ユニクロなんかのお客さんとは一線を画す雰囲気の、できてる若い人ばっかでした。私のようなハゲのオッさんはいませんでしたね。私の目の7割はインテリアの出来や設えに向けられてましたが、並んでいる商品はアウトドア・アクティビティーにはもってこいの商品に見えました。チャリンコ通勤にも十分以上に使えます。陳列用の棚や家具類も、ショップ・コンセプトに合致した造りで、なんと竹の集成材なんか使ってました。黒錆びを付けた鉄板なども、商品を大切にする店側の配慮を感じさせ、好感が持てました。
建物自体には、さしてお¥はかけていませんが、古い港の工場や倉庫などと共通する粗雑さを演出するコンセプト作りや、内装の計画にはそれなりのスタッフの作為(いい意味でのね)を感じます。竣工してから10年以上経つ建物ではありますが、それなりの経年変化を上手く使っています。商品陳列の為のインテリアも計算されていますし、建築や内装のどこにお¥を使えばいいのかを熟知している人の作です。
内部の事務室や倉庫、試着室への扉は枠を含めて日本ではなかなか手に入らないモノです。完全なアメリカン仕様で、昔私が米国にいたときの単純簡素なディテールで、懐かしさを感じました。私、こういう作り、大好きですね。パタゴニアの創業者であるイヴォン・シュイナードと言う人の事業姿勢や歴史などがネットのページから読み取れますが、その彼の思想やコンセプトが十分に表現されています。
建築を設計したのは、以前ご紹介した「La Chiara 表参道」を設計した北山恒(きたやまこう)さんですが、この建物にも建築プロデューサーが関与してます。浜野商品研究所です。ここの環境計画部なのかな?スタッフだった田中玄と言う方の参画が大きかったような印象を持ちます。「これまで日本のパタゴニア全店舗のデザインにかかわってきた」と仰る方で、商業施設研究会というサイトのインタビューで「パタゴニアは毎年1~2店舗のペースで10年ぐらいやっています。日本で最初に出店したのは80年代後半だったんですけど、それから今まで日本の店舗にはほぼ全部かかわっています」との記述がありました。
「いかに普通で、平凡そうでいて他にはない、新しいデザインができるか」みたいなことを考えている人みたいね。「精神的な豊かさを象徴するような空間とでも言おうか。華美でなく、かといって質素でもない。更に、作者の造形に対する一方的な欲望がチラチラすることもない。しかし、確かに期待を裏切らない健康的な空間の存在を田中玄は目指しているように感じる。」との評もありましたね。(いずれも、ネットの彼自身のページより引用)
表参道にある気になる建築の一つとして、紹介が遅れてしまったような申し訳なさを感じる建物で、正式名称としては「クレインズ ファクトリー ティームハマノ&パタゴニア・ビル」です。竣工したのは1998年3月。設計者は、北山恒+アーキテクチャーワークショップ,総合プロデュース・浜野総合研究所。構造は鉄骨造で、地上3階建て。関与しているデザイナーは、パタゴニア社内の設計部門や田中玄さんたちです。
そうそう、お店の場所は、キャットストリートを渋谷方面に歩いてゆくと右側にあります。もう10年以上前からありますので、ご存じですよね。こういうデザインを大切にしてくれるオーナーの扱う商品に間違いはありません。従業員の、ハゲのオッさんに対する接客にも好感が持てました。近々、ダウンのジャケットでも買いに行きます。
0 件のコメント:
コメントを投稿